Coffee break 2  神降臨?

Coffee break 2  神降臨?

次のような工学技術ではない「おもてなし」のモデリングが、今回の本来のテーマです。これにより日本が世界に堂々と誇り、うってでられる本来の新しいAIにおける社会構造です。ここではそれぞれのAI物語を作るにあたり三つの段階があります。

一つはAI物語のツール(AIエンジン、トレーナ、カスタマイザ)があります。それをそれぞれのAIの目的を応用したい現場の専門家が教師します(二つ目)。専門家は当初はツールの使い方に慣れないため、専門家を教える導き人が必要になります。これが三つ目のビジネスモデルであるAIインストラクターです。

インストラクターは最低限の技術用語さえ理解していれば良く、それよりも操作をインストラクトすることが重要になるので、より人間性が求められます。そのためには操作を教える技術が必要になります。それをただ単に教えるだけでなく、日本ならではのおもてなしの心と態度で行います。

こうして僕のようなAIエンジニアが作った一つ目の構造により、ともすれば退職してしまうであろう専門職の方々が、後輩に口伝えで伝えるのではなく、AIのディープラーニングという工学技術で、エキスパート化し、会社の資産とできます。

商業高校や短大、大学で「それぞれのAI物語」を習って卒業したフレッシュな新入社員は、その会社のできたばかりの新しいAI課に配属されるでしょう。上司もいろいろなAI講習に出てみるものの、一夜漬けのにわかAI教授か、文科系には関係のないPythonのプログラミング講座か?どちらにしても「帯に短し、たすきに長し」症候群で、なにもわかりません。

「おい課長、何かわかったかね?( ;∀;)」
「ぶ、部長、AIって、やっぱ難しいでうねぇ~~~($・・)/~~~」
「だな・・・( 一一)」

そこへ来たフレッシュな新入社員たちはまさに、神の降臨となるでしょう。大学や教育機関では一切の工学技術を使わずに、もちろんプログラミングなど全く無関係に、「それぞれのAI物語」でただひたすらAIの応用ばかりにに鍛錬されています。言葉を変えるとAI応用のテンプレートばかり作ってきました。販売管理、在庫調整、経営支援、自動作曲、振動解析、健康管理、美容など様々です。

あなたが会社で示したAIの応用システムを見て、上司はこういうでしょう。
「これは君が作ったのかね?」
あなたは答えに困ります。なぜならあなたはツールを操作しただけで、勝手にできてくるのですから、少し言葉にどもりながらも、
「そ、そうですが・・・。つ、作ったのは・・・・」というや否や、上司は、
「やっぱりな!すごいな!ボクの目に狂いはなかった」
あなたは少し困りますが、操作して最後の実行システムにしたのはあなたに違いありません。

そしてあなたはこれを教師作業する現場の方に渡し、操作とディープラーニング作業の方法をインストラクトします。ディープラーニング作業が終わると重みとセットされた教師信号ができていますが、これを確認のために想起(リコール)し、専門家の方のノウハウが実証されることを確かめなければなりません。

こうして何度もフィードバック(教師と想起を繰り返す)しながら、よりよい教師信号が整理されていきます。ここで重要なことは、AIツールがプログラミングをなくしたということではなく、62歳で退職する専門家が、以前なら何も数字では残せないエキスパートな伝えたいことを、会社にエキスパート資産として残せるということです。
おそらくその人は退職後も近所のコンビニやファーストフード店でアルバイトすることなく、孫を横で見ながら、パソコンでエキスパート作業を行っていることでしょう。時給も相高いはずです。
インストラクターは以前なら、お茶くみか何らかの走り使いだった可能性が大きいはずです。「それぞれのAI物語」でディープラーニング作業を学習し、おもてなしの心を教育されたために、学校へ出てすぐに企業の最重要課題に取り組むことになったわけです。

こうしてAIの出現は、新しいプログラミング、退職後の専門家の仕事(その人しかできないので高給)、お茶くみではない新入社員のモチベーション高い業務を生み出したことになります。換言すればAIはまったく新しい構造を生み出したのであり、このような生きがいを感じる構造変化が少しずつ起こってきています。

米国『WIRED』誌の創刊編集長であり、テクノロジー界の思想を牽引するケヴィン・ケリー氏の新刊『〈インターネット〉の次に来るもの~未来を決める12の法則』の中で、以下のような記述があります。

ケヴィン・ケリー曰く、
「AI+アルファ(これまで問題だったこと)で、新しいベンチャーが現れて、産業革命まで発展するというわけか。」

私の考えです。まさにこのアルファの部分を私も作っていますが、これは工学技術ではありません。少し言葉を変えるとこんな感じでしょうか?

AI = 工学技術 : 今まさにプログラミングしているツール
(必要条件)

アルファ = 社会技術 : 新しく生み出される社会構造
(十分条件)

「AIをやっててよかった」という私はプログラマーとしてだけでなく、こうした新しい構造変化、パラダイムシフトをまざまざとみることができ、それに参加する喜びを感じるわけです。がんばって世の中を変えていきましょう!


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