3.機械学習のための信号処理[9]

この節では、時系列信号を機械学習する際に、統計的な処理を行って適切な特徴量を見出すための方法について述べる。

解くべき問題として、時系列信号を観測し、正常状態と異常状態を識別する異常検知問題や、対象システムからの時系列信号を観測し、対象システムの動作モードを分類する問題などを考察する。前者の異常検知問題としては、工場の設備に対する故障診断、故障予知、後者の例としては、たとえば人に着けた加速度センサの時系列データ(x軸方向、y軸方向、z軸方向)から、人の動作状態(歩いている、階段を上っている、階段を下っている、座っている、立ち上がる、寝ている)を推定するような問題がある[9],[10]。

 

3.1.時間軸での特徴量

 最初に観測して得られた時系列信号を、横軸を時間、縦軸を観測値とする時系列信号波形としてグラフに表示し、識別したい状態、たとえば、正常状態と異常状態に対応した時間信号、あるいは複数の動作モードに対応した時間信号を観察する。このような時間軸上の特徴量としては、振幅、オフセット値、平均値、波形などがある。さらに、観測値をヒストグラムで表現することも有用である。ヒストグラムで読み取れる観測地の平均値、中央値、分散の状況などを診て、異常状態と正常状態の識別、あるいは複数の動作モードや対象システムの内部状態を識別できないか検討する。

 

3.2.周波数軸上での特徴量

 一通り、時間軸上での特徴量を検討したのちに、周波数軸上での特徴量を考察してみる。時系列信号のサンプル点として、あるウインドウ幅に含まれるサンプル数の信号群を切り出し、それに対しFFTを実施し、パワースペクトラム密度などを計算する。パワースペクトラム密度から、対象の信号の基本周期などを把握することができる。またもとの時系列信号の自己相関関数を計算することにより、もとの時系列信号の基本周波数を読み取ることができる。このようなパワースペクトラム密度などの周波数領域の特徴をもとに、元信号の種類の識別ができないか、検討する。


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